1.1.1. vSphere ESXi 8.0環境への移行手順

1.1.1.1. はじめに

本文書の目的、位置づけ

この文書は、既存のvSphere ESXi環境をvSphere ESXi 8.0環境へ移行するための手順を紹介します。
本文書はSmart Data Platform(以下、「SDPF」と記載します)をクラウド/サーバー vSphereを構築した経験のあるお客様を対象としています。以下のメニューの作成およびvSphere ESXi構築ガイドに準じた環境の構築が完了した段階からの手順を紹介しています。
事前に作成されているメニュー一覧

項目

作成状況

SDPFのお申込み

お申込みが完了

ロジカルネットワークメニュー

vSphereマネージメント用(データプレーン)/vSphereサーバーインスタンス通信用(データプレーン)/vSphere vMotion用(データプレーン)/ストレージ接続用(ストレージプレーン)/共通機能ゲートウェイの合計5IDの作成が完了

ブロックストレージメニュー(IO性能確保)

LUNの作成が完了

ファイアウォールメニュー (Managed Firewall)

ファイアウォールの作成完了

インターネット接続メニュー

インターネットゲートウェイの作成完了

サーバーインスタンスメニュー(推奨)

作業用サーバーインスタンスの作成完了
※作業用サーバーはvSphere Clientのアクセスに利用します。
DNSサーバーの作成完了

VMware vSphere ESXi

設定が完了

VMware vCenter Server

構築が完了


事前に作成されているリソースの構成イメージ

../../../_images/1Before2.png

移行イメージ

../../../_images/1After2.png

参照する詳細情報

主に以下の詳細情報を参照頂き、本手順書をご確認ください。


本項のご利用にあたって

本項をご利用いただくにあたって、以下の点にご留意ください。

免責事項

  • 本項にて紹介する構成の一部、または全部を、実際に当社にて構築した手順を一例として紹介します。実際の手順や設定内容は、お客さま環境によって異なる点についてご了承ください。

  • 本項の情報、もしくは資料の掲載には注意を払っておりますが、掲載された情報、資料の正確性については一切保証しません。また、本書に掲載された情報、資料を利用、使用、ダウンロードするなどの行為に関連して生じたあらゆる損害等についても、理由の如何に関わらず、一切責任を負いません。なお、本書の掲載内容は、Broadcom社にてサポートされる保証範囲を超えるものではありません。

  • 本項に掲載している情報には、第三者が提供している情報が含まれていますが、これらはお客さまがより便利にvSphere ESXiをご利用いただくために提供しているものであり、第三者が提供している情報に記載された内容の正確性については、当社は一切責任を負いかねますのでご了承ください。


注意事項

  • 本項で提示する操作、構成等は一例であり、性能、効用、完全性等を保証するものではありません。性能、可用性、保守性など、お客さま要件に応じた設計が必要です。移行作業では、vCenter ServerやVMでシャットダウンが発生します。作業タイミングには十分ご注意ください。

  • 本項では、本項で扱う構成を移行する場合に求められるSDPF固有の操作を中心に紹介します。vSphere ESXiの一般的な操作方法については、記載しておりませんのでご注意ください。

  • 本項では、ロジカルネットワークやvUTMの作成、サーバーインスタンスの作成など一般的な操作について記載していません。一般的な操作は、Smart Data Platform 詳細情報やチュートリアルをご参照ください。

  • 本項の記載は、予告なく変更する場合がありますので、あらかじめご了承ください。


移行手順について

vSphere ESXi 8.0へバージョンアップ手順は以下3パターンがあります。

「パターンA:vMotionによるバージョンアップ」を利用されるユーザさまが一般的だと想定していますが、 vMotionが利用できない場合、「パターンB:インベントリ登録解除および登録による仮想マシン移行」 「パターンC:OVFまたはOVAファイルのエクスポートおよびインポートによる仮想マシン移行」による移行手順をご検討ください。

パターンA:vMotionによるバージョンアップ
vSphere ESXi上の仮想マシンをOnline vMotionが可能なため、システム停止無く仮想マシンの移行が可能です。
ただし、vSphere ESXiとvCenter Server の互換性によってvMotionに対する制約があります。

パターンB:インベントリ登録解除および登録による仮想マシン移行
vSphere ESXi上の仮想マシンの実体データが共有ストレージ(ブロックストレージ等)に保存されている場合に利用可能な手順です。
インベントリ登録解除および登録までの間、仮想マシンのシステム停止が発生しますが、「パターンC:OVFまたはOVAファイルのエクスポートおよびインポートによる仮想マシン移行」より、短い時間での移行が可能です。

パターンC:OVFまたはOVAファイルのエクスポートおよびインポートによる仮想マシン移行
vSphere ESXi上の仮想マシンをエクスポートし、移行先環境へインポートする手順です。
エクスポートからインポート完了するまでの間、仮想マシンのシステム停止が発生します。
エクスポートおよびインポート時間はvSphere ESXiのホストのフレーバーや仮想マシンのサイズによって大きく変動します。

パターンA:vMotionによるバージョンアップ

移行先環境vSphere ESXi 7.0または8.0を構築し、vMotionによる仮想マシンの移行を行います。

vMotionによるバージョンアップについては、以下のユースケースをご参照ください。

注釈

  • vMotionによるバージョンアップ手順は、vSphere ESXi 6.5⇒7.0、6.7⇒7.0、7.0⇒8.0の情報で記載しています。
    ※他バージョンであっても手順は同様です。
     vMotion対応バージョンについては、以下URLのマトリクスを参照ください。
    ※本ユースケースでは、移行元環境が、vSphere ESXi 5.5、6.0の場合でも同様の手順で実施できる想定ですが、vSphere ESXi 5.5、6.0は未検証です。
     試験用の環境にて検証していただき、問題が無いことをご確認の上、vSphere ESXi 8.0への移行をお願いいたします。

パターンB:インベントリ登録解除および登録による仮想マシン移行

移行元のvSphere ESXi上に登録された仮想マシンのインベントリ登録を解除し、 移行先のvSphere ESXiにインベントリ登録することでvSphere 8.0環境へ仮想マシンを移行します。

インベントリ登録解除および登録手順については、以下のユースケースをご参照ください。

注釈

  • インベントリ登録解除および登録による仮想マシン移行手順は、vSphere ESXi 7.0および8.0の情報で記載しています。
    ※本ユースケースは、移行元環境がvSphere ESXi 5.5、6.0、6.5、6.7の場合でも同様の手順で実施出来る想定ですが、vSphere ESXi 5.5、6.Xはサポート切れのため、未検証です。
     試験用の環境にて検証していただき、問題が無いことをご確認の上、vSphere ESXi 8.0への移行をお願いいたします。

パターンC:OVFまたはOVAファイルのエクスポートおよびインポートによる移行

移行元のvSphere ESXi上に登録された仮想マシンをOVFファイルまたはOVAファイル形式でエクスポートし、 移行先のvSphere ESXiにテンプレートを展開する手順となります。

OVFまたはOVAファイルのエクスポートおよびインポートによる移行については、Broadcom社サイトのオフィシャル手順をご参照ください。

 ⇒ OVF および OVA テンプレートのデプロイとエクスポート

 ⇒ OVF または OVA テンプレートの展開


注釈

  • ※OVFファイルのエクスポートおよびインポートによる移行については、移行元環境がvSphere ESXi6.5、6.7、7.0の場合でも同様の手順で実施出来る想定ですが、未検証です。
    試験用の環境にて検証していただき、問題が無いことをご確認の上、vSphere ESXi 8.0への移行をお願いいたします。
    また、移行元環境がvSphere ESXi 5.5、6.0の場合は、OVFファイルに対応していないため、OVAファイルによるエクスポートおよびインポート手順をご検討ください。