
10.2. 【β版限定】BGP接続に関連する設定について¶
注釈
- こちらのページはβ版提供用のお客様専用です。当社がご案内する場合を除き、このページの内容ついてはご放念ください。
FIC-Connectionは、接続先となる各種ゲートウェイとの間でBGPピアを確立することで利用可能になります。ここでは、FIC-ConnectionのBGP接続に関連する下記の設定について概説します。
BGPピアの確立に必要な情報
BGPによる経路制御で利用するパラメータ
10.2.1. BGPピアの確立に必要な情報¶
FIC-ConnectionにおいてBGPピアを確立するためにお客さまに用意していただく情報としては、下記のようなものがあります。実際にどの情報が必要になるかはFIC-Connectionによって異なります。
接続ネットワークアドレス
接続先のサービスを識別する情報
これらの情報は、FIC-Connectionを購入いただく際に、「コネクションの購入情報入力」画面で設定していただきます。
購入済のFIC-Connectionは、接続元がFIC-Routerの場合は「接続先とのBGPピア確立に必要な設定が投入された時点」で利用開始とみなされます。利用開始後は、BGPピアの確立に必要な情報の変更はできません。変更が必要な場合は、購入済のFIC-Connectionを廃止してから再度購入してください。
接続ネットワークアドレス¶
FIC-Connection上でのBGP接続で利用するIPアドレスブロックのことを 接続ネットワークアドレス と呼びます。接続ネットワークアドレスは、各種のFIC-Connectionを購入する際に、それぞれ決められたプレフィックス長で指定します。指定可能なアドレスについては「 FIC-Routerの購入時に必要なIPアドレスについて 」をご参照ください。
下記の接続先へのFIC-Connectionでは、購入時にお客さまに接続ネットワークアドレスを用意していただく必要があります。用意していただくIPアドレスの数(プレフィックス長)については 詳細情報 をご参照ください。
XaaS事業者
上記のFIC-Connectionを購入する際に、 指定されたプレフィックス長のIPアドレスブロック を登録すると、接続元および接続先となるFIC-Routerやルーターのインターフェイスに自動でアドレスが割り当てられます。たとえば、AWSとの接続に使うFIC-Connectionを冗長構成で導入し、プライマリの接続ネットワークアドレスとして「10.0.0.0/30」、セカンダリには「10.0.0.4/30」を登録したとすると、FIC-RouterおよびAWS側ゲートウェイにそれぞれ下記のルールでIPアドレスが割り当てられます。
FIC-Router側(プライマリ):10.0.0.1/30
AWS側(プライマリ):10.0.0.2/30
FIC-Router側(セカンダリ):10.0.0.5/30
AWS側(セカンダリ):10.0.0.6/30
接続元および接続先に割り当てられるアドレスの種別や順序は、プライベート接続かパブリック接続かによって異なります。 詳しくは FIC-Connection共通仕様の「接続ネットワークアドレスの割り当て」 を参照してください。
注釈
AWS Public VIFでは、FIC-NATの導入に合わせて購入されたグローバルIPアドレスが割り当てられるので、FIC-Connectionの購入時に接続ネットワークアドレスを設定する必要はありません。割り当てられるグローバルIPアドレスを確認する方法については 【β版限定】FIC-NATで利用するグローバルIPアドレスについて をご参照ください。
接続先のサービスを識別する情報¶
接続先ごとに、お客さまが接続する先のゲートウェイを識別するため、それぞれ固有の情報が必要になる場合があります。
- Arcstar Universal One
代表番号 : Arcstar Universal One側の代表番号
VPN番号 : Arcstar Universal One側のVPN番号
10.2.2. 経路制御で利用するパラメータ¶
FIC-Routerを接続元とするFIC-Connectionでは、BGP経路情報の制御をするために設定可能なパラメータがいくつかあります。 これらのパラメータはFIC-Connectionを購入いただいた後にオンデマンドで変更可能です。 主なパラメータについて下記に概説いたします(FIC-Connectionの種類によって、設定ができない項目もございます)。
パラメータ名 |
説明 |
対象の接続先クラウド |
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BGP Filter Ingress |
接続先から広告されるBGP経路情報を接続元であるFIC-Routerで受信するか否か。
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BGP Filter Ingress prefix list Prefix Type |
接続先から広告されるBGP経路情報を受信する場合に、それをフィルタリングするか否か。
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以下はpermitフィルタ/denyフィルタを設定可能(変更可能:通信断はなし)
以下はpermitフィルタのみ設定可能
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BGP Filter Ingress prefix list Prefix List設定 |
以下のいずれかのキーワードとプレフィックスを最大10個(無償)指定し、それらを接続先から受信する経路情報においてフィルタリングする(BGP Filter Ingress prefix list Prefix TypeをOFFにしても入力値は保持される)。
ただし、FIC-Connection AWS(Public VIF)、Router-Virtual Port(Pattern S)は10 Prefix単位での追加可能(有償)です。
Prefix Listは10prefixまでフィルタルールの設定が可能(無償)です。ただし、FIC-Connection AWS(Public VIF)、Router-Virtual Port(Pattern S)では、10 Prefix単位で上限の拡張が可能(有償)です。料金の詳細は、 プランと料金 をご参照ください。
prefix listの上限を超えて申し込みした場合には、申し込みエラーとなります。上限の範囲でお申し込みください。上限の詳細は、 IP Prefixフィルタ機能が設定可能なFIC-Connection を参照ください。
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同上 |
BGP Filter Egress(接続元) |
FIC-RouterがBGP経路情報をどのような形で広告するか。
AWS(Public)、 Router-Virtual Port(Pattern S) の場合
上記以外の場合
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BGP Filter Egress prefix list Prefix Type |
BGP経路情報をフルルートで広告する場合に、それをフィルタリングするか否か。
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以下はpermitフィルタ/denyフィルタを設定可能(変更可能:通信断はなし)
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BGP Filter Egress Prefix List設定 |
以下のいずれかのキーワードとプレフィックスを最大10個(無償)指定し、それらを接続先に広告する経路情報からフィルタリングする(BGP Filter Egress prefix list Prefix TypeをOFFにしても入力値は保持される)。
BGP Filter Egressの設定にて「フルルート(デフォルトルート込み)」を選択している場合は、
0.0.0.0/0 exact が設定の1つとして自動的に入力される(変更不可)Prefix Listは10prefixまでフィルタルールの設定が可能(無償)です。ただし、FIC-Connection AWS(Public VIF)、Router-Virtual Port(Pattern S)では、10 Prefix単位で上限の拡張が可能(有償)です。料金の詳細は、 プランと料金 をご参照ください。
prefix listの上限を超えて申し込みした場合には、申し込みエラーとなります。上限の範囲でお申し込みください。上限の詳細は、 IP Prefixフィルタ機能が設定可能なFIC-Connection を参照ください。
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同上 |
BGP Filter Egress(接続先) |
Arcstar Universal Oneが、BGP経路情報をどのような形で広告するか。 - フルルート(デフォルトルート除外) - フルルート(デフォルトルート込み) - デフォルトルート(Arcstar Universal Oneにて0.0.0.0/0のデフォルトルートを作成して経路広告) - サマライズ (Arcstar Universal Oneにて3つの経路情報を生成、集約して経路広告) |
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AS-Path Prepend Ingress |
接続先からFIC-RouterがBGP経路情報を受信した際にFIC-RouterにてそのAS_PATH属性の先頭に自身のAS番号を追加でいくつ付加するか。
Arcstar Universal One:追加しない、または2を設定可能。
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AS-Path Prepend Egress |
FIC-Routerが、接続先に対してBGP経路情報を広告する際に、そのAS_PATH属性の先頭に自身のAS番号を追加でいくつ付加するか。
追加しない、または2を設定可能(セカンダリには自動的にプライマリの値に1を加算した値が設定される)。
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MED Egress |
FIC-Routerが、接続先に対してBGP経路情報を広告する際に、そのMED属性として設定する値。 10、または30を設定可能(プライマリ側にのみ設定可能で、セカンダリには自動的にプライマリの値に10を加算した値が設定される)。 |
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AS-Override |
FIC-Routerは、接続先となるArcstar Universal Oneに対してBGP経路情報を広告する際、通常は自身が学習しているAS_PATHをそのまま含める。 しかし、Arcstar Universal Oneと接続している他のFIC-Routerとも接続している状況で、広告する経路にArcstar Universal OneのAS番号(9598)が含まれていると、 経路ループを引き起こす可能性がある。そのため、広告するAS番号から9598を取り除くか、または自身のAS番号(Flexible InterConnectのAS番号である37923)で上書きするように設定可能。 |
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Advertised Public Prefixes |
(パブリック接続の場合のみ)クラウドサービス側へ広告するNATのグローバルIPアドレス。 |
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BGP Community Egress |
Public VIF経由でAWSに広告する経路に対し、Amazonが指定するBGPのコミュニティ属性の値を設定可能(7224:9100、7224:9200、7224:9300のいずれか)。 これにより、その経路をAmazonのネットワークにどのように伝達されてほしいかを制御できる。 |
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10.2.3. BGP Filter Egressの「サマライズ」について¶
10.0.0.0/8(10.0.0.0~10.255.255.255)
172.16.0.0/12(172.16.0.0~172.31.255.255)
192.168.0.0/16(192.168.0.0~192.168.255.255)
注釈
[サマライズ] を選択すると、デフォルトルート(0.0.0.0/0
)が広告されなくなりますので、ご注意ください。
NexthopがNull0
- 同一の3経路を他のConnectionから受信した場合は、そちらの経路を優先して広告します※この場合、FIC-Routerが生成した経路は広告しません

[サマライズ]選択時の動作例¶